雇用管理制度助成コース
この助成金はちょっと面白い仕組みが導入されています。
まず「①評価・処遇制度」「②研修制度」「③健康づくり制度」「④メンター制度」「⑤短時間正社員制度(ただし保育事業主のみ)」のいずれかを導入することで、制度導入助成として 10万円が受給できます。
その後、制度導入前後の(それぞれ)1年間の離職率(離職者÷在籍者)を比較して、一定の改善があれば、目標達成助成として追加で 57万円<生産性要件を満たせば 72万円>が受給できます。
制度を導入してもその後1年間は待たないとなので、何とも気の長~い助成金ではありますけど、従業員さんが安定して勤めてくれそうな事業所さんであれば、狙ってみる価値はあると思います。
もっとも、制度の主旨としては、「評価・処遇制度などを導入することで、従業員の定着を図る」という順番ではあるのですけどね。
①~⑤のいずれの制度を導入するかについては、もちろん事業主さまのご判断ではありますが、私はよく②研修制度をお勧めしています。(③健康づくり制度のうちの「歯周疾患検診」もよく利用されるらしいですが。)
研鑽の必要のない仕事なんて存在しませんし、どんな業種の職場においても、何らかの研修はやっているはずです。それを就業規則できちっと位置付けすれば、基本的に要件は満たしますので。
(ただし、研修にかける費用が多額に渡るような場合ですと、例えば賃金助成等のある「人材開発支援助成金~特定・一般訓練コース」等の適用と比較していきます。)
(注)生産性要件がご不明の場合は、就業規則を作成されたら助成金も活用しませんか!! の記事をご参照ください。
保育労働者 / 介護労働者 雇用管理制度助成コース
こちらは、上記の通常の雇用管理制度と異なりまして、「賃金制度の整備」が条件とされるなど、少しハードルが高くなっていますが、そのぶん金額が大幅に増額されています。
これは言うまでもなく、“低賃金で離職率の高いと言われる業種” を手厚く支援する制度です。逆に言えば、これを狙えるのは保育事業主さま・介護事業主さまの特権とも言えます。
確かに1年先~3年先の離職率など、確実に予測できるものではありませんが、かといって、何も手を打たずにいれば尻すぼみとなってしまうかもしれません。
うまく受給できれば、それこそ従業員さんの処遇に還元して、定着率も高まるという好循環が生まれますし、そのようにお考えになる事業主さまが、戦略的にご活用いただけるのがよろしいのではと思います。