正社員化コース
キャリアアップとは、この助成金においては「有期契約の労働者」「短時間労働者」「派遣労働者」などの “非正規” の労働者が、正規雇用や無期雇用へと転換することを指しておりまして、この助成金はその推進を図ることを目的としています。
統計的には(全雇用者における)正規雇用者の割合が40%に満たない(女性や高齢者の場合は更に下がります)ような状況を受けて、国は労働契約法改正により “無期転換ルール(≒有期契約が繰り返されて5年を超えた場合に、労働者が無期契約への転換を申し出すれば(使用者は)拒否できない制度)” を導入したりしておりますが、そういった国策をこの助成金で推進している状況にあって、(これは憶測ですが)まだ数年は残りそうな感じがします。
また29年度からは、多様な正社員(勤務地・職務限定正社員、短時間正社員)も、通常の正社員と同様に扱われるなど、ワークライフバランスの考え方もより重視された点も注目されます。
世の中には、雇用契約書なども存在しないため、正社員かどうかもはっきりしないような従業員さんを雇い続けている中小事業主さまも多いです。この長く雇っているという状態自体は望ましいことだと思いますが、そのままではこの「正社員化コース」は活用できません。
一方で、毎年1年契約といった雇用を繰り返されている事業主さまにおいては、今年から来年にかけて、上記 “無期転換ルール” への対応に、必然的に直面することとなります。
そのような事業主さまが、これを機会に雇用契約の考え方を整理して、長く勤めていただいてもよい従業員さんについては、正規なり無期なりへの転換を図る、そのような場合にご活用いただくのが典型的な活用方法となると思います。
もちろん当面は、新しく事業を立ち上げられるような事業主さまにおいても、“最初は有期契約 ⇒ 長く勤めていただいてもよい人と確認できた段階で正規や無期への転換を図る” といった形で活用いただくことも可能でしょう。
しかしその場合は、“有期契約の期間は6か月以上の必要あり”、“正規又は無期へと転換させることを、最初から約束していたような場合は助成の対象外” といった、助成金特有の細かい条件がございますので、ご注意ください。
(注)生産性要件がご不明の場合は、就業規則を作成されたら助成金も活用しませんか!! の記事をご参照ください。